What I want to leave...beloved

われわれの本性は怠情へ傾いている。だが、われわれは活動へと心を励ます限り、その活動に真の喜びを感ずる
(ゲーテ/若きヴェルテルの悩み)

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

ロシア「保守反動」の美学―レオンチエフの生涯と思想
ロシア「保守反動」の美学―レオンチエフの生涯と思想 (JUGEMレビュー »)
高野 雅之
多様性の美しさ。別次元で語られるべき彼の美学的価値。人は共同体のなかでどのように生きるべきか。
冬の旅人〈下〉 (講談社文庫)
冬の旅人〈下〉 (講談社文庫) (JUGEMレビュー »)
皆川 博子
ロシア革命という激動の時代の渦に飲み込まれながら、自分の道を進んでいく。人を変えるのは人なのだと、納得せずにはいられない。
冬の旅人〈上〉 (講談社文庫)
冬の旅人〈上〉 (講談社文庫) (JUGEMレビュー »)
皆川 博子
1枚の絵に魅せられて、故郷を捨てロシアに向かう。長くて、重くて、辛い、それでも人生は続く。
世界が終わる夜に奏でられる音楽
世界が終わる夜に奏でられる音楽 (JUGEMレビュー »)
楡井 亜木子
題名からは想像できないくらい生活感あふれる作品。久々に表紙買いで当たりました。音楽って1つじゃない。
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 (JUGEMレビュー »)
オルフェウス室内管弦楽団,モーツァルト,パルマ(スーザン),アレン(ナンシー),ナイディッヒ(チャールズ)
ついに念願かなってこの曲に挑戦中!なんでだろう、どうしてこんなに音が澄んでいるんだろう。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
夏の色
あさの あつこ
角川書店(角川グループパブリッシング)
(2010-06-25)

 色彩認知学かなにかの分野で国によって月や太陽や虹を何色と捉えるかが違うということを知った時から、季節の色について考えるようになった。上に挙げた例はどれも目に見えるものだから、同じ型にあてはめて考えることはできないけれど、日本にとっての夏はやはり世界の他の国とはことごとく異質なものであると思う。その夏色鮮やかに上梓されたのが「夏の甲子園」にまつわるこの短編集。偶然本屋で見つけて、いつか読もう!と意気込んでいたのをテレビの向こうの球児たちをみて思い出した。長崎への旅行の帰りに長い新幹線の乗車時間をつぶすためにふらりとよった本屋で、どこかまとう雰囲気のホラー性?と不思議さから涼しい夏を思わせる恩田陸のネバーランドと一緒にこの本をを購入した。

甲子園出場への足がかりとしての都道府県大会に焦点をあてたもの、怪我故障事故など負の部分を書いたもの、投手の苦悩、バッテリーの複雑な人間関係、叶わなかった夢、叶った夢のあと。
読んでいてハラハラするような物語ばかりで残りのページを別の意味で気にして読んだ。1ページ毎に違う匂いがする、違う色がある、違う夢が生き方がある。だけどどれも夏の気配をはらんでいる。試合だけではわからない裏の姿が書かれたこの本を読んでから甲子園をみると、また違った夏がみえてくる。この本が他の甲子園を書いた作品と違うのは「野球をやる女性」からの視点がかかれた物語があるということだろう。野球が好きなだけでは越えられない壁がある。それをどのように乗り越えて成長していくのが、甲子園はでる人だけを成長させるのではない、そこにつながる道に寄り添っていた人々までも巻き込んでいく、夏の台風のような存在といっていいかもしれない。9月中は暑いだろうとわかっているけれど、甲子園の決勝を見終わるとなんだか夏が終わってしまった錯覚に陥るのはそんな理由からだろうか。
 原爆投下日に長崎の平和公園に行ってきた。入場規制のかかる公園や全国から集まって反戦(反原爆)の旗を掲げる人をみると戦争が過去のことではないという思いが込み上げてきた。外国の方もちらほらみかけたので、積極的にもっと知ってほしいと思う。そんな自分も勉強不足なんだけれど…夏ときいて思い浮かべる風景が、色が、どうか暗いものでなくなりますように。
| - | 16:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 16:16 | - | - |









トラックバック機能は終了しました。